たいして役に立たないお絵かき講座2「背景の描き方」
20120624c.jpg
上の絵を見て、何かおかしいとか、違和感を感じたりするでしょうか。
もし、何も感じなければ、それはそれでアリだと僕は思いますので、
この記事を読まなくてもいいと思います。
絵が適当過ぎて、違和感あり過ぎっていうツッコミはありそうですが・・・。

上の絵のような感じでビルを描く人が結構います。
プロの漫画家さんやアニメの背景等でもたまに見ます。
必ずしも間違っているというわけではありませんが、
現代の日本のビルを描く場合は、少し一般的ではありませんので、
見る人が見ると不自然に見えてしまいます。

このビルの最上階辺りの断面図を描くと下左図のようになります。
対して、一般的な日本のビルの断面は下右図のようになっています。
20120624e2.jpg

鉄筋コンクリートで造られたビルの場合、普通は梁(破線で囲まれた色の濃い部分)というものがあり、
基本的には梁の有る部分に穴を開けて、窓にしたりはしません。
また、たいていの場合は屋上部にパラペットというものがあります。
詳しい説明は省きますが、パラペットとは建物内に雨漏りしないよう防水のために、
屋上部に立ち上げた壁のことです。

一般的なビルの最上階部分を拡大すると下の図のようになっています。
概念を伝えるために簡略化しているので、いろいろ嘘も入ってます…。
20120624a.jpg

防水の方法は他にもいろいろあるので、あくまで一例です。
つまり、最初のビルの何がおかしいかというと最上階の窓の位置です。
ごく普通にビルを作ると梁とパラペットが必要なため、窓を屋根ギリギリの高さには作れないのです。

そんなわけで、構造上重要な梁と防水上重要なパラペットを意識して、
窓を描くと下図のように自然なビルの絵になります。
20120624d.jpg
最初に例に出した違和感のあるビルを実際に建てようと思ったら、
実は不可能ではないと思います。

しかし、四季のある日本で、これをやろうとすると
手の込んだ特殊な事をしなければなりません。
特殊な事ということは、そういう建物が存在していても
建築関係者以外の一般的な人が目にする機会はほとんど無いと言えると思います。

なので、何かしらの表現上の意図等がある場合以外は、
最上階の窓の上にある程度の高さの壁を描いた方が無難だと思います。

また、最初に漫画やアニメの背景でも見かけることがあると書きました。
実際、現代日本を舞台にした作品でパラペットの無いフラットな屋上が登場することがたまにありますが、
個人的にはパラペットの有る無しと作品の面白さはまったく関係ないと思うので、
今回書いたことは正直どうでもいいことだと思っています。

ホントにマズイのは、こんな知識を持ってしまったがために、
絵が堅くなってしまうことだと思います。

これ、一般の人が読んで意味わかるのでしょうかね・・・。
ちなみに築30年以上古かったりするビルだとパラペットが無かったりもします・・・。

建築関係の皆様は、
「『カーテンウォール』にすれば、見掛け上は、容易にこのデザインのビルは作れるよ。」とか、
そういうツッコミはしないでくださいね…。
06/24 03:56 | お絵かき講座 | CM:4 | TB:0
違和感あり過ぎっ


私は、このサイトのツッコミ係か?
反応があると更新し甲斐があるので、これからもどんどん突っ込んでください!
何も見ないで描いたら描きそう~。こういう講座おもしろいので大歓迎です。個人的には天井裏の存在はもっと考えてませんでした。

しかし、素人考えだとパラペットがあると屋上が水盆みたいになるってことですよね?なんかない方が水がたまらなくて雨漏りしなさそうですが。ただ、雨が垂れてきて壁を汚すのが嫌だというのなら分かるんですが・・・。
>inaさん
おもしろがってくれてありがとうございます。
う~ん、パラペットに関しては、やっぱり図解した方が、分かりやすいと思うのですが、どうしたもんですかね~。

水盆みたいにするのが目的では無いんですよ。
記録的な大雨とかだったら、一時的になっちゃうかもしれませんが・・・。
パラペットじゃなくても、普通の住宅みたいに三角屋根にして、端部に雨樋を付ければ、壁も汚れないんですが、屋上は屋上で、空調や電気のデカイ機器を置かなきゃいけないので、三角屋根にするわけにもいかないんですよ。
三角屋根の上に機器を載せると外観上、美しくないですしね。

う~ん、補足の記事を書きますかね~。
「更に役に立たないお絵かき講座」になりますけどね。
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